社会

社会への関心を深め、自ら考える力をつける

社会科では、世界の動きと直接結びつく学習をしながら、自ら調べ、考え、表現する力を伸ばしていきます。中学で基礎基本を徹底的に学び、高校生で論理的な思考力、表現力を鍛えることで世界で起きていることを分析し、理解し、他者のことを考えながら自らの意見を述べる力を鍛えていきます。

基礎学力を身につける中学の授業

それぞれの授業で、現在の日本や世界の国々の現状や成り立ちについて基礎的な事項をしっかりと学びます。夏休みの課題として、1年生は「旅行パンフレット」、2年生は「歴史新聞」を作成し、3年生は「全国中学生人権作文コンテスト」に応募します。これらの課題は、授業のなかで、ひとりひとりの生徒が持った興味や問題意識に基づき、「どうすれば相手に伝わる表現ができるか」という点を考えながら作成されます。旅行パンフレットや歴史新聞には生徒も楽しみながら取り組んでおり、人権作文には本校から東京都の入選も出ています。
中3の公民の授業からは、授業の冒頭の時間を用いて「3分間スピーチ」が行われます。これは生徒が興味を持った新聞記事について、調べ、まとめて発表するものです。生徒による発表のあとで、教員がその記事を解説し、発表を聞いた生徒は感想や自分の意見を書いて発表者に渡します。発表者は、それらの意見から、同じ事件にも様々な見方があることを実感し、自分の意見の立ち位置を知り、バランス感覚を身につけていきます。この「3分間スピーチ」は、中3の公民、高二の政治経済、高三の現代社会の授業でも行われます。

世界のことを考える力を鍛える高校の授業

高校では一年生で全コース共通で、世界史Aと地理Aを履修します。ここまでの学習で基礎力を身につけるとともに、修学旅行の事前学習として核兵器の問題を学び、夢の島で第五福竜丸を見学します。核や平和の問題についても、様々な意見を踏まえながら自分の意見を持てるように心がけて指導しています。

2年生では美術コースは世界史を、文系コースでは世界史または日本史を選択します。これまでの基礎力の上に、受験を意識した内容で授業は進められ、長期休暇の課題には人物や事件などテーマを定めてレポートを作成します。興味を持った理由や問題意識・本論・結論・残された課題のように、これから何度も書くであろうレポートの基本的な書き方をマスターします。また、文系コースが履修する政治経済の授業では、「活きた経済」を学ぶために「バーチャル株式会社経営」を行います。このなかで生徒は、普段自分たちが購入している商品に隠された工夫や意図を読み取りながら、お菓子の商品開発を行います。実際に製菓会社の方に来校していただき、商品開発のノウハウを伺うこともあります。他にもここでは投資責任についても学びます。「儲かる会社であれば良い」というのではなく、企業の責任について考えながら商品の購入を行う、投資を行う、というように、有為な消費者としての行動も学びます。

ただし、トキワ松学園社会科の目標は最初にあるように「社会への関心を深め、自ら考える力をつける」ことです。この目標の達成の補助的な役割として、授業の他に「ランクアップ講座」で以下の講座を開講しています。

① 社会科研究クラブ

この講座では、それぞれの生徒が興味のあるテーマを自分で選んで発表し、教員の助言や、参加する他の生徒の意見を参考にしながら、自らのテーマをさらに掘り下げていきます。大学のゼミで行うようなことを中学・高校でやってしまおうという試みで、意欲的な生徒は大学生も顔負けの実地調査を行っています。例年、2〜3名が文化祭での発表に挑んでいます。中学1年生から高校三年生まで、誰もが参加できます。何年も続けて受講するとプレゼンテーション力は飛躍的に上昇します。

② 模擬裁判・裁判傍聴

この講座をとっていれば、裁判員にいつ選ばれても大丈夫。弁護士の方をお招きして、裁判員制度のあらまし、民事裁判と刑事裁判の違い、裁判の進め方を学びます。用意された台本に従って、模擬裁判で実際に刑事裁判の体験もします。台本には判決の部分までは書かれておらず、参加した生徒は被告が有罪と思うか、無罪と思うかを理由を挙げながら話し合います。この講座で興味を持った生徒を中心に、東京地方裁判所の見学・裁判傍聴も行い、「生の」裁判に触れ、大いに刺激を受けています。この講座も、中学1年生から高校三年生まで参加が可能です。